半長テーパ溝ピン — 製品紹介
半長テーパ溝ピンは、円筒ピン本体に軸方向の一端から徐々に浅くなる3本の溝(約半分の長さ)を転造した弾性ロックピンです。溝付き端部を穴に圧入するとしまりばめによるロックがかかり、平滑な残り半分はガイドまたは位置決めとして機能します。ロックと位置決めの両方を兼ね備え、組み立てには穴あけのみで、リーマ加工や止め輪の装着が不要です。
1. 製品の特徴
半長テーパ溝構造: 3本の溝は端部から中央部へ向けてテーパ状に浅くなり消失します。半分の長さだけが拡張力を発生させ、残り半分は平滑な円筒面です。
弾性しまりばめの原理: 溝加工部で隆起した金属が穴壁と信頼性の高い3線接触を形成し、半径方向のロック力を与え、振動による緩みを防ぎます。
ロックとガイド機能の分離: 溝のある半部がロックを担い、平滑な半部は位置決めピンまたはガイドロッドとして使用でき、1本で2役をこなします。
材質と硬度: 標準は炭素鋼(焼入れでHRC 45~56まで硬化可能)またはオーステナイト系ステンレス鋼(A2)を使用し、表面は酸化被膜、りん酸塩被膜、亜鉛めっき処理が可能です。
2. 製品の優位性
組み立てが極めて簡単: ストレート穴をあけ、ハンマーやプレスで打ち込むだけで済み、テーパ穴リーマ、タップ加工、スナップリング装着が不要で、組立コストを大幅に削減します。
穴公差の補正: 弾性溝構造が穴の一定の寸法偏差を吸収し、穴あけ精度の要求を低減し、不良率を抑えます。
繰り返し脱着が可能: 複数回の取り外し・取り付けを行ってもロック力の顕著な低下がなく、設備保全や部品交換に便利です。
穴壁を傷めない: 弾性膨張力が比較的均一で、中実円筒ピンに比べて穴壁へのダメージが小さく、柔らかい母材にも適しています。
3. 適用範囲
伝動部品とハブの結合: 歯車、プーリー、レバーなどを軸に固定し、平滑部はベアリング座やスペーサーの位置決めに利用できます。
ハンドルと手回しハンドルの組立: ハンドルロッドとボールヘッド、操作レバーと接続スリーブの弾性固定に用い、平滑部が握りやすくなります。
ヒンジと可動ジョイント: ヒンジ軸として、農業機械や家具金物において耐振動可動接続を提供します。
治具と金型: 位置決めプレートやドリルブシュの固定に、平滑部をガイドとして、溝部でロックします。
小型モーターと自動車部品: ワイパーリンク、シート調整機構、ドアロック機構など、簡易で確実な固定が求められる部位に。